かごしま環境未来館

更新日:2026年03月20日

自ら行動・発信する『かごしま子ども環境リーダー』を育成!
「令和7年度 環境子どもフォーラム事業」をレポート

かごしま環境未来館では、くすの木自然館・平川動物公園・いおワールドかごしま水族館と協働し、連続講座と発表の場を通して、環境問題について自ら行動・発信する『かごしま子ども環境リーダー』の育成に取り組んでいます。本年度は18名の子どもたちが参加してくれました。

連続講座

令和7年度の連続講座のテーマは“空”。各園館の視点で“空”を切り口に、令和7年10月から令和8年1月にかけて開催しました。また、本年度はKTS鹿児島テレビ様にご協力いただき、各回に特別講師として気象予報士の方々をお招きしました。

 

第一回目講座「気候が変だよ 生き物たちは大丈夫?」 かごしま環境未来館

第一回目は、かごしま環境未来館で行いました。気候変動についての概要を学び、気候変動が生き物にとってどのような影響を与えているのか考え、今後の講座への足掛かりをつくりました。初対面の子どもたち。はじめは緊張した面持ちでしたが、プログラムのひとつとして実施したネイチャーゲームでは積極的に発言したり動いたりして、いつのまにかみんな笑顔で参加していました。グループワークでは、年齢の異なる子ども同士が集まりましたが、各々が積極的に自らの意見を述べつつも相手の意見を尊重し、グループとしての意見をまとめることができていました。

特別講師のKTS新井気象予報士からは、鹿児島市の過去100年の気温の変化や、8月に起きた姶良・霧島の豪雨災害のお話をしていただき、地球温暖化が私たちの生活に影響を及ぼすことを再認識し、自分ごととして問題意識を持つことができました。

講座全体を通して、「今までの生活を続けたら地球に住めなくなる」「今、自分ができることをみんなで行うことで、未来をよりよくできるのでは」という声があり、気候変動を自分ごととして捉え、どのように行動すればよいか、ひとりひとりが考えるきっかけになりました。

 

第二回目講座「動物園で感じる!動物と季節の関係」 平川動物公園

第二回目は、平川動物公園で行いました。動物園には、両生類、は虫類、鳥類、哺乳類など多くの動物たちが暮らしています。それらの動物の分類による体のつくりの違いを学んだ後、クマグループ、ペンギングループ、クジャクグループに分かれ、動物探し(配布された写真と同じ姿の動物を探す)を行いました。探すことができた動物、できなかった動物をグループごとに発表し、特に、「なぜ見つけることができなかったのか?」をみんなで考えたところ、動物の姿や行動の変化は、「季節によるのでは?」という予測を立てることができました。

特別講師のKTS中俣気象予報士からは、日照時間はどのように決まるのかや、それが大きく変わると、私たちを含めた動物たちの健康や暮らしなど様々なことに影響が出ることを、図を用いてわかりやすくお話ししていただきました。 

講座中、子どもたちが動物の変化について予想を立てながら観察する様子が見られました。中俣気象予報士のお話は、地球の公転や自転など、まだ学校では習っていない内容もありましたが、日頃感じている「季節」を思い出しながら聞くことができていました。季節が少しずつずれていることも知り、自分でできることから行動する!という気持ちを改めて持ったようです。

 

第三回目講座「野鳥たちはどうして鹿児島に?」 くすの木自然館

第三回目は、錦江湾奥湿地でフィールドワークを行いました。双眼鏡を使いながら錦江湾奥湿地に飛んでくる野鳥を観察し、特徴を絵に書くことによって、多様性を学びました。また、湿地があることの重要性や冬鳥が渡ってくる理由、渡る時のメカニズムを知ることによって、気候変動が進むと、気圧配置や偏西風も変化し、渡り鳥にも影響が出るかもしれないということに気づきました。

特別講師のKTS山下気象予報士からは、空気の動きと冬鳥のつながりや、季節によって風向きが変わり、その風に乗って野鳥は渡りを行うこと、気候変動が進むと風向きが変わり、渡り鳥が渡れなくなるかもしれないことなどをパネルを使ってわかりやすくお話ししていただきました。

 

子どもたちは、双眼鏡やハンドブックを使いこなし、よく見かけるカモにもたくさんの種類があることや身近な場所に絶滅危惧種のクロツラヘラサギがいることに驚くなど、普段見ている自然の風景への解像度が上がっていました。また、空気と渡り鳥の関係に気づくことで、温暖化についての意識の変化が見られました。

 

第四回目講座「水温計で謎を解け!海の生きものがそこに暮らすわけ」いおワールドかごしま水族館

第四回目は、いおワールドかごしま水族館で行いました。はじめに海の生物の多くは変温動物であることや海を暖めているのは太陽であることを学び、次に部屋に用意された10℃・20℃・30℃の水に手を入れて、水温を体感しました。その後、水族館のバックヤードに出かけ、4エリア(鹿児島の北の海・鹿児島の南の海・深海・黒潮が流れる海)の海を再現している水槽で実際の水温を測り、結果を発表しました。海の生物には適水温があり、水温が変化すると、動ける生物は適水温を求めて移動し、動けない生物は減衰、消失することを知り、水温の変化が多くの生きものに影響をもたらすことを学びました。

特別講師のKTS中俣気象予報士からは、海が蒸発して雲になり雨や雪となる地球の水循環や台風が発生する仕組みや台風がもたらす恩恵についてお話をしていただき、海と天気はとても深い関係があることを学びました。

場所だけではなく季節によっても水温が変化し、その変化が多くの生物に影響をもたらすことを知り、また、遠くの海のことを調べるためには実際に現地に行って調査する重要性を体感した子どもたち。自然に起こる「変動」の中で人間活動が引き起こしている「変化」を見つけることはとても難しいので、自ら出かけて「関心を持ち、変化に気がつける人」になりたいという意識が高まりました。

 

環境子どもフォーラム

全4回の連続講座で学んできたことを、子どもたちが自らの言葉で発表し、未来を変える行動宣言を行う「環境子どもフォーラム」。本年度は、令和8年2月11日に開催しました。

子どもたちの発表

子どもたちは、環境問題について自分ごととして考え、これからどのような行動を行っていきたいかを、ひとりひとりが自らの言葉で述べました。中には、この発表のためにオリジナルの工作物を作るなど、工夫して発表する子もいました。大人でも緊張するような場面でしたが、堂々と発表する姿はまさに『かごしま子ども環境リーダー』でした!また、対象年齢の関係で今回で卒業となる中学3年生の子からは、壇上から「高校生や大学生になってもこのように学べる場を作ってほしい!」との要望が!嬉しい宿題をいただきました。特別ゲストとしてお越しいただいた新井気象予報士からは、「舞台の上でマイクを持って、自分の言葉で発表出来ていることがとても素晴らしい。これは、みんなが講座で学んだことをしっかりと理解しているからこそできること。」「鹿児島は、火山もあれば雪も降る多様な自然の宝庫だから、なぜ?と思うことがたくさん有るはず。疑問に感じたことをひとつひとつ解決することがより深い知識に繋がるので、自ら外に出て、見たり・触ったり・感じることを大切にしてほしい。」との講評をいただきました。

子どもたち一人ひとりの発表内容は、下記データからご覧いただけます。

クリックするとPDFデータが開きます

 

特別ゲスト 新井気象予報士の「おもしろお天気講座」

子どもたちの発表の後は、特別ゲストの新井気象予報士に「おもしろお天気講座」を実施していただきました。はじめに雲の種類について学び、雲ができる仕組みについての実験を行いました。みんなの前に出て実験を行いたい人を募ると、子どもたちが一斉に挙手!積極性にとても驚かされました。実験では、ペットボトルの中に雲をを発生させました。新井さんの指示に従って作業を進めると、あら不思議!ペットボトルの中に白い雲が見え、会場全体から「おお~!」と驚きの声が!雲ができる仕組みは小学生には理解が難しい部分もありますが、実験を交えて体感することによって、合点がいったようでした。また、実物の雨量計を持って来てくださり、初めて見る器具に、子どもも大人も興味津々。降水量がどのように測られているのかを説明してくださり、気象予報の裏側を知ることができました。

後半は、実際にみんなで天気予報を作ることに。新井気象予報士から学んだ知識ををひとつひとつ繋げていくと、あっという間にテレビでよく見るあの解説が出来上がりました。

天気のことを知ることによって、天気予報に興味がわき、天気予報を見ることによって、今現在地球でどのような気象の変化が起きているのかに気づき、考えることができると教えていただきました。

 

環境子どもフォーラムを終えて

子どもたちの主体性を育むために、各講座では保護者の方々になるべく周りで見守っていただくようなかたちをとっています。保護者の方から離れて活動しなければならないため、はじめは不安な様子も見受けられましたが、回を重ねるごとに笑顔で積極的に発言できるようになりました。また、グループで活動することにより、他者の意見を取り入れながら深く考え、皆でひとつの結論を導き出す姿も見受けられました。環境問題を解決するためには、日々様々な問題に目を向け、気づき、考え、行動し、時には周りを巻き込んで大きなムーブメントを起こすことが大切です。本事業に参加した子どもたちが、ここで学んだことを活かし、将来どこかで『かごしま子ども環境リーダー』として活躍してくれることをスタッフ一同願っています。

そして、我々大人もこの事業を通して子どもたちから多くのことを学びました。子どもたちにより豊かな未来を残すために、私たちがやるべきことを、これまで以上に精進して取り組みたいと思います。

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